海外のプライベートバンクサービスを利用されている方々、これから利用される方々への啓蒙活動を中心に行っています。

主なスイスの銀行リスト

現在、一般的に使われている「スイス銀行」という名称を無理矢理に定義すると、「スイスでプライベート・バンキング・サービスを提供する銀行の総称」となる。つまり「スイスのプライベート・バンク」の事となる。

「スイス銀行」(スイスのプライベート・バンク)には大まかにして3つに分類できる。

1)主には融資などの一般的な銀行業務を中心に行っている銀行とそのグループである。これにはクレディ・スイスや前述のスイスユニオン銀行等の大手の銀行があたる。

これらの銀行は株式を世界中の取引所で上場をしており資本的にもかなり大規模であるため、子会社として専業のプライベートバンクを傘下に収めている。クラリデンやバンクロイなどがそれにあたる。

2)プライベートバンク専業の独立系としてサービスを行っている株式形態の銀行である。これにはジュリアスベアなどが該当する。このジュリアスベアの株式は公開されており、スイスの証券取引所で日々売買されている。

3)プライベートバンク専業として独立系としてサービスを行っているが、株式形態の組織でなく無全責任のパートナーシップにより経営されているスイスに現存しているかなり特殊な形態のプライベートバンクである。

株式形態の銀行との大きな違いは、銀行の所有者と経営者が同じ人間であると言う点と、経営に対して個人的に無限責任を負っている点である。これらの銀行にはジュネーブのボーディエに加えて他5行、計6行がスイスに存在をしている。

スイスにおいて現存する無限パートナーシップである伝統的なプライベートバンカーのリストは以下の通り

Rahn & Bodmer(ラン・アンド・ボドマー) 1750
E. Gutzwiller & Cie(ガッツウイラー) 1787
Bordier & Cie(ボーディエ) 1844
Reichmuth & Co. Private(ライヒムース) 1995
Mourgue d'Algue & Cie(モーグ・ダルグ) 1869
Baumann & Cie(バウマン) 1920

これ以外の形態である専業プライベートバンクの例には以下がある。

ジュリアス・ベアー(スイス上場)
バンク・ルー・クラリデン(クレディスイス子会社)
バンク・サラザン(元プライベートバンカー)
バンク・クレーマー(スイス上場子会社)
ユニオン・バンケール・プリベ(UBP)

「プライベートバンカー」として認められる無限経営のパートナーシップによる「スイス銀行」は上記の6行だけであるが、それ以外にもプライベートバンクは多数存在している。

日本居住者に在スイスのプライベートバンクが
提供できるサービスの要約

The Swiss Financial Market Supervisory Authority (FINMA:スイスの金融監督庁)からはスイス国内のプライベートバンクに対して、日本居住者に対しては、以下の様に日本の銀行法、金融商品取引法等に厳密に守るよう明確な指針が既に出されているのが実情ある。https://www.finma.ch/en#Order=4

従って、スイスの銀行であれば一任勘定、運用助言、貸出業務を日本居住者に直接提供する事はないのだがスイスの中でも銀行によりばらつきもある点も留意すべきであろう。

〇がついている業務であっても銀行から勧誘することなく、大前提として見込み客からの依頼が必要となる。

預金、送金など銀行業務 ⇒〇
一任勘定 ⇒×
投資助言 ⇒×
貸出業 ⇒×
投資運用業務 ⇒×
証券取引業務 ⇒△
日本国内において口座開設依頼 ⇒△


ちなみに現時点で、スイス銀行の「守秘性」をセールスポイントにして、口座開設を勧誘している様な連中には要注意である。

いずれにせよ「一任勘定」サービスを提供するスイス・プライベート・バンクは少なくなっている。