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ジュネーブプライベートバンカー

経営面・財政面で優れていたスイス・プライベート・バンカー・グループ

無限責任のパートナーにより経営されているスイスのプライベート・バンカーは現在は6行のみということは別途説明をしました。

しかし、過去には「ジュネーブ・プライベート・バンカー」と呼ばれていた4つの銀行からなる特別なグループがありました。なぜこのグループが特別なのでしょうか?

このジュネーブ・プライベート・バンカーには以下の銀行が含まれてました。ちなみに現在プライベート・バンカーとして存続しているのボーディエのみとなります。

1) ピクテ

2) ロンバーオーディエ

3) ミラボー

4) ボーディエ 

さて、スイスの現存するプライベート・バンカーは6行あるわけですが、互いに独立しており、人的、資本的な結びつきは特にはありません。それぞれが完全に独立をしており相互の関係はほぼ全くありません。

しかし、この4行は(3行に関しては組織形態こそ変わりましたが)過去1930年、40年の大恐慌時代を通して当時の逆境を乗り越えるべくお互いの結びつきを強めてきた経緯があります。実際に「スイス・プライベート・バンカー協会」と言っても、その規模や従業員の数、預かり資産などで比較をすると、この4行でほぼ8から9割を占めていたという実体がありました。

この4行の従業員は全世界でおよそ「6千数百人」と言われています。一方ピクテは3000人、ロンバー・オーディエは2500人程度、ミラボーが200人程度、ボーディエが100人程度であることから合計すると5800人と推計されます。

つまるところスイス・プライベート・バンカーズ協会に所属をしている銀行の従業員のおよそ90%がこの旧ジュネーブ・プライベート・バンカーズに属していたという事になるのです。

これは4つの銀行が単独でその経営の維持が出来なかった場合でも、合併をすることによりその業務を維持できることを意味し、その永続性や独立性の点保管し合うことを可能としていたのです。

過去には様々なプライベートバンカーが有限責任のパートナーシップ制度を維持できずに脱落していきました。(バンク・サラジン、ジュリアス・ベア、最近ではホッティンガ-、ウェゲリン、ゴネ等々)

逆の見方をすると、これら4行の永続性と継続性が他のプライベート・バンカーや他のスイス・プライベート・バンク協会6行と比較をしても格段と高いという事がいえるでしょう。

他のプライベートバンカーで最も大きかった銀行が「ウェゲリン」で従業員が450人でした。

ところが2012年1月に電撃的にその大部分を売却し、1741年から続いたその看板を下ろすこととなりました。その大きな理由は、アメリカから訴追されたUBSの多くの顧客をこのウェゲリンが受け入れてしまっていたことがあげられます。これによって大きな問題も一緒に受け入れてしまったのです。その他のメンバーには100人にも満たないプライベートバンカーが幾つかあります。

つまり、このジュネーブの4行はそのお互いの結びつきの強さからプライベート・バンカーやプライベート・バンクとしてその存在感を最後まで守る事が出来る力を持った存在と言えるでしょう。