従業員について

従業員の定着率や給与体系などは重要

1)従業員の定着率
この点はプライベートバンクでは非常に重要な要素です。懇意にしていたプライベートバンクの担当者がいとも簡単に退職してしまうのは非常にがっかりするものです。

家族ですらも知らない個人の様々な情報を、長くつきあう前提で教えたにもかかわらずその前提が守られないのですから当然のことでしょう。

特にメガバンク系のプライベートバンクは離職率が一般的には高いこともあり、この傾向は非常に強いのが現実です。特に退職をした担当者が名刺を替えて営業をしてくることもあります。メガバンク系で口座開設をするときにはこの点を理解しておく方が良さそうです。

一方、例えば無限責任のパートナー制になっているスイスのプライベートバンバンカーズ、特にジュネーブのプライベートバンカーズでは、定年退職以外で担当者が変わることは殆どありません。

一般的にプライベートバンカーズの日本で言う「総合職」の離職率は低いのです。これは一つにはメガバンクのように株主からの業績に対する圧力などが低いことがあげられます。

2)従業員の給与体系

従業員のノルマや歩合率の高い給与体系になっていると顧客本位のサービスが受けにくく、従業員の成績本位になる傾向があるため、年俸制で定額の比率が高く、歩合比率の低い方が望ましいと言えます。

3)正規雇用の従業員であること

最近は日本の顧客を獲得したいがために契約社員(アルバイト)それもパートタイムの日本人を雇用している銀行もあります。

当然のことながらそのコミットメント、つまりサービスの質、永続性、専門性でかなり劣るだけではなく、守秘性の面でも論外と言えます。

4)経歴

金融などの職歴をもっておらず、永住権を持っていて日本語がしゃべれる、というだけで従業員を採用しているようなプライベートバンクは、できれば避けた方が賢明でしょう。それもフルタイムでの勤務ではなく、パートタイムの雇用形態であればなおさらです。

いくら国外の金融機関であっても、重要な個人情報をパートタイムの従業員に知られてしまうのは危険です。

顧客としてプライベートバンクの情報を収集し、うわべの知識を得ただけで「専門家」を名乗り商売にしている業者もいるので良く気をつけましょう。